ダーウィンよ来い
御所野元町七丁目 松田幸久
昨夜、8月20日(火)にNHK総合で「ダーウィンが行く」を見た。日本にはアマミノクロウサギ、
エゾナキウサギ、エゾユキウサギそしてニホンノウサギがいるという。そのうち本州で見られるのはニホンノウサギのみ
であり、夜行性で警戒心も強くほとんど撮影されたことがないという。ドラマでは新米の女性アシスタントディレクターと
カメラマンらの3人でニホンノウサギを山奥深くまで探し求めて撮影に成功するという話である。
エエ~!な~んも。秋田では市内でもニホンノウサギが見られる。
これは秋田大学医学部の構内で2014年6月に撮ったニホンノウサギの写真である。

守衛さんから私の勤めていた動物実験施設にウサギが逃げたのではないかとの電話がはいった。
そんな筈はないと思いながらも構内を探していたら図書館脇で見つけたのがこのウサギである。
夏には褐色の毛をしているが、冬には毛が真っ白に生え変わる。このウサギが翌年の2月にどうした分けか(翌月の私の
退職への挨拶か)動物実験施設の脇までやって来た。事務室の窓から撮影したのがこの写真である。我々が飼育している
のは日本白色種という白いウサギであり、アルビノ系といって色素がないため目も赤い。このウサギをよく見ると目が黒い。
ニホンノウサギであることが証明できる。

秋田県大仙市付近では秋田ジャンボウサギ(正式名は日本白色秋田改良種)が飼われており、
毎年品評会が開催され大きさを競っている。この写真は2015年10月の品評会で優勝したジャンボウサギである。
一般の日本白色種は体重が4㎏程度であるが、このウサギは8kg程あった。大正時代にこの地域に配属された農業指導員が
食事の貧しさを改善するために愛媛から2kg程の小型の日本白色種を導入し、それを100年かけて改良して大型化したのである。

ドイツにも大型ウサギがいる。退職金の一部を小遣いとしてもらいその大型ウサギを調査してきた。
写真がその大型ウサギのドイツ巨大種である。15kgにもなるというが、それは肥満状態で動物福祉から好ましくない
という。品評会が州、国そして欧州の順で開催されているが、9kgまでのウサギが出品の基準であるそうだ。
秋田ジャンボウサギも絶滅の危機にあり、それを保存改良するためにドイツ巨大種の遺伝子を導入することが私の夢で
あった。その夢を後輩に託している。

医学部構内にはノウサギも出るが、カルガモやカモシカ、クマまで出る。
1977年に秋田大学医学部に勤務したが、その年の晩秋、イナワラスモッグが煙る帰宅時間に学内放送が流れた。
「構内にクマが出ました」と。その頃クマが出るのは珍しかった。まだ右も左も分からない新米獣医師で、
どうしたら良いかと迷いしばらく職場で待機した。今はクマが出るのは日常で、出会わないように注意して車でさっさと
帰宅するだろう。
これは動物実験
施設の事務室脇に巣を作ったカルガモの巣立ちを追った写真と動画である。
御所野でも、いろいろな野生動物が観察できる。「ダーウィンよ来い」である。
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